過ぎ去る
7/14/2022
埃まみれの分厚い
とことんなまでにヤケた本
そこにはひっそりと
佇んでいる知恵が
ページの間
拙い黙読による
受肉の先で
目をこする
くしゃみが出る
僕は思わず泣く
埃と静寂ばかりの
結晶が如き言葉の鉱山で
大昔の時はさながら太陽のように輝く
それは白く、眩い光だ
僕はもう目をあけてられない
瞼で己を守る
必死に堪える
噛みしめる
深呼吸の先
真っ暗な時の深海で
僕はあなたの炎を見つける
そして徐々に、燃え立ちひしめく
意志が僕の心に充填されゆく
生命の泉が湧く
透明な容れもの
それは何色に輝くのだろうか
だがそもそも輝くのだろうか
僕の心は
夕闇が迫る中
僕は五本の指先で現在の表紙をなでる
時は過ぎ去る
僕は倉庫をあとにする