JY-STORAGE

頌歌

薔薇の人

あなたが子供でないなんて

ことがあり得ましょうか

子供でなければどうして

棘を身に纏えましょうか

その必要があるでしょうか


あなたに存在を受けている者たちを

惹きつけると同時に突きはなす


痛みを知らないあなたではない

だが希望を失した魂を前に

絶望するあなたでもない


あなたが子供でなければどうして

ひとのこころは固くなりましょうか

光に満ちた世界に

夜がもたらされましょうか

またあなたが子供でなければどうして

ひとはひとを許せましょうか

暗然たる宵に沈んだ町に

確かな朝日が昇りましょうか


なぜ誰も望んでいない苦役と悲哀とで

世の中は成り立っているのでしょうか

なぜ自らに関係のないものたちの輝きで

存在することの尊さにひとの目はひらくのでしょうか


だがなぜあなたは私に無関心であるものたちに

私の生存の全権を握らせたのでしょうか

あなたの破られることのない沈黙もまた

あなたが子供であるが故なのでしょうか


あなたは限りある命に苦しみだけを

授けるのではない

だがまたそうすることによって存在する者たちに

弁解するわけでもない


あなたは答えない

あなたの棘は損なわれない


そうして着実に私の肌を傷つけ

取り返しのつかない老いを刻み込む

薔薇の人


死にゆく者に道を与え

力を授ける

あなたの見えない腕の中では

私もまた子供でしょうか

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